体験ダイビングでの、「心震える初体験」のお手伝い

島・サービスにもよりますが、でっちをやっていて意外と多いのが体験ダイビングのアシスタント。

でっち先がリゾートであればあるほどダイバーじゃない観光客も増えますから、体験ダイビングに関わる機会は増えると思います。

ぼくのいた東京都の南国・八丈島も多分に漏れず、体験ダイビングのゲストは多かったです。

 

その日の体験ダイビングのゲストは、オラオラ系のごっついお兄さんと、渋谷に生息していそうなギャルギャルしたお姉さんのカップル。

お客さんが少なかったこともあり、イントラさんとぼくが二人でガイドをすることになりました。

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出典:生活のヒント

イントラさんがブリーフィングをする間、ぼくはせっせと器材のセッティングを行います。

レギュやBCDは問題なく使えるか、タンクに空気は入っているか。

注意深くチェックしながらも、耳ではイントラさんのブリーフィングを聞いています。

カップルのお客さんは異様にキャッキャと楽しそうですが、これから初めてのダイビングで目の前には抜群の八丈ブルー、無理もないことでしょう。

ただの海好きな人にダイビングの楽しさに気づいていただく、これも体験ダイビングの醍醐味です。

 

足の着く浅瀬での水慣れも終えいざエントリー、と言っても水深3mもないところですが、ここで一つトラブルが。

水慣れでは何ともなかったギャルさんが、怖くて潜行できません。

どうやら耳抜きはできるのだけれど、水面から離れることに恐怖感があるみたいでした(ちなみにこの手のトラブル、体験ダイビングだと珍しくない気がします)。

一方でオラ兄さんは問題なく潜行できる様子。

イントラさんの指示でぼくは水中のオラ兄さんの方につくことに、片やギャルさんとイントラさんは、水面に残ることになりました。

 

水面に残された彼女を尻目にニシキベラと戯れるオラ兄さん。

結局ギャルさんの要望とイントラの判断で、水面のイントラwithギャルさんの目の届く浅場で楽しむオラ兄さんを僕が見る、という具合になりました。

ちなみにいつも体験ならばゲストの手を引いたりタンクを持ったりするのですが、オラ兄さんはかなり慣れきっていたのでぼくは手を放していました。

 

海水浴でも見られるような普通種しかいなくても、海中にいるというだけで全てが初めての世界。

オラ兄さんマスクの奥の目の輝きはまるで少年のようでした。

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結局その日、カップルが二人揃って海に潜ることは無かったです。

それでもギャルさんは「海の中で魚と遊ぶ彼を見れてすごく楽しかった」と、オラ兄さんは「お兄さんが一緒にいてくれたからすげー安心しました!」と言ってくださいました。

 

ノンダイバーの人にとって、海に潜る経験は本当に刺激的なものなのだと思います。

思い返せば、ぼくも初めてレギュレーターを咥えて海の中の世界を見たとき、そんな気持ちでした。

その時の気持ちがぼくの学生生活をダイビングに捧げさせたような気もします。

体験ダイビングに関わることは、そんな人の心が震える瞬間に関わることなんだと思います。

ダイバーはその瞬間をノンダイバーに提供するため、時に安心の源になったり楽しさを伝える人になったりするわけです。

 

ぼくの倍近いんじゃないかというくらい大きなオラ兄さんと潜れなかったギャルさんに「楽しかったです!」と言われたとき、二人の思い出に関われたことが嬉しくてたまらなかったですし、八丈にでっちしに来てよかったと、心底思いました。

 

結局その後、ぼくはインストラクターを目指すことになるのですが、今も続くプロ見習い生活の中でオラ兄さんとギャルさんの顔を思い出すことはよくあります。

あの時の良い顔を見るためだったら、何だってできるなーって思うんですよね。

 

長くなりましたが、ぼくの八丈でっち日記はここらへんにしたいと思います。

読んでいただいて、どうもありがとうございましたー。


この日記を書いた人

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じろー(平井 健二郎)


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