NAUIダイブテーブルの使い方

ダイビングライセンスを取得するための学科講習で、最も多くの人がつまずく場所は潜水計画の立て方では無いでしょうか?

現在はダイコンの普及によりおろそかにされがちですが、ダイブテーブル(プラナー)を理解してダイコンを使うのと、理解せずに使うのでは、リスクをどれだけ理解しているかという部分で雲泥の差があります。

実際ダイコンの普及により、減圧症は減るどころか増えてしまっているという現実もあるのです。

その理由はまたの機会にお話をするとして、それだけダイブテーブル(プラナー)は保守的なダイビングを行うことが可能と言うことですね!

 

今回はNAUIで潜水計画を立てるのに利用されている

『ダイブテーブル』

の使い方を見て行きたいと思います!

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■基本の『き』

反復グループ

AからLのアルファベットで体内に残留する窒素の量を表します。

Aならあまり溜まっておらず、Lだと限界ギリギリまで溜まっています。

窒素の出入り

同じ水深でも長く潜れば潜るほど窒素は体内に溜まります。

同じ潜水時間でも深度が深ければ深いほど溜まります。

水面休息をとればとるほど体内から窒素は排出されます。

最大潜水時間

ある水深で、減圧症のリスクを基準に、安全に潜ることが出来る最大の時間です。

体内に窒素が全く溜まっていない時には赤字に青丸で囲まれた数字です。

table1


■潜水後の体内残留窒素を調べる

さて、いよいよ実際の使い方を見ていきましょう!

まずは体内に窒素が全く溜まっていない状態、つまりその日の1本目の使い方です!

 

表1の深度から、そのダイビングの最大水深を見つけます。

その際、実際の水深に一番近い数字ではなく、一番近く、かつ実際よりも深い数字を選ぶことが重要です!

例えば最大水深が15mちょうどなら15を選ぶが、16mなら18を選ぶ、ということですね!

 

次に、選んだ水深の行を横に辿り、そのダイビングの潜水時間を見つけます。

その際、深度と同様に実際の潜水時間に一番近い数字ではなく、一番近く、かつ実際よりも長い数字を選んでください!

例えば15mで潜水時間が40分なら40を選ぶが、41分なら50を選ぶということですね!

 

そして、選んだ潜水時間の列を下に辿り、見つかったアルファベットが1本目、ダイビング終了後の体内に残留する窒素量です!

どうでしょう?簡単ですよね!

ね!

table2


■水面休息で排出される窒素を調べる

先程の続きで行きましょう。

1本目が終わった時点のアルファベットから手を話さないで下さいね!

 

そのまま表1を突き抜け、表2を下に辿っていきます。

何やら細かい数字がたくさん書いてありますね!

老眼が始まった方々にはツラい…きっとこの記事を読んでいる人々には無縁の話でしょう(笑)

この細かい数字が水面休息時間を表します!

 

先程の図の終わりから続けて見てみます。

水面休息時間が1時間ちょうどだとしましょう。

すると、該当する場所を見つけられると思います。

 

次に、そのまま左に辿ってみましょう。

新しいアルファベットが表れましたね!

これが水面休息後の窒素量を表します!

たしかに、窒素量が減っていることがわかりますね!

table3

ついてきてますかー!?


■2本目以降の体内残留窒素を調べる

ここからがややこしくなってくる所です!

今から2本目のダイビングをしたいと思います。

ということは、あなたの身体の中には1本目のダイビングで溜まった窒素が残っていますね。

このダイブテーブル、非常に便利なのですが、唯一欠点があります。

身体にどれだけ窒素が溜まるかは、表1で調べますが、この表1は身体に窒素が溜まっていない状態のことしか調べられないのです…

 

ではどうするか?

身体に残っている窒素を時間に換算する

という考え方をします。

ここがみんな、わけわからなくなるところなんですよね…

 

体内に溜まっている窒素、これを一旦無かったことにします。

そして、2本目の水深で何分潜ったら同じ量の窒素が溜まるのかを考えます。

窒素が溜まる、という現象は同じなので、これでも計算は出来ますよね、という話です。

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ということで体内の窒素量を時間に換算するために準備されているが表3です!

 

先ほどの続きから行きましょう。

1本目、休憩が終わり、アルファベット(体内の窒素の量)はGでした。

そのまま右手の指は固定していてください(左手で辿っていた方は右手に変えましょう。左利きですね?わかります。笑)

2本目に潜る水深を表3の一番上、Mと書いてある行から見つけます。

左手でその列を下に辿り、右手は先ほどの場所から左に辿ります。

すると、2本の指がぶつかるところに2つの数字が見つかりましたでしょうか?

この、ぶつかったところにある青い数字が

身体に残っている窒素を時間に換算したもの

になります。

そして、もう1度表1に戻り、実際の潜水時間に、今見つけた時間を足しあわせ、その合計を潜水時間として次の反復グループを見つけます。

table4a

いかがでしょう!?

この先、3本目へと進む場合は同じことの繰り返しでOKです!


■次回のダイビングの最大潜水可能時間を調べる

ここまでを理解できればこれは簡単です!

先ほど両手の指がぶつかった部分、赤い数字が一緒に書いてあったと思います。

これが、次回のダイビングの最大潜水可能時間です!

今回の例の場合、24分ですね!


■次回の計画している潜水計画を実行するために必要な休憩時間を求める

ここからは応用編です。

とはいえ、実際に重要になるのは計画なので、一番重要な部分でもあります!

 

1本目が終わり、そのダイビングでの反復グループが求められたと思います。

2本目の計画を実行するのに必要な休憩時間を求める、ということは言い方を変えると

休憩を経て、2本目で予定をしている水深、潜水時間でのダイビングが可能なレベルに反復グループがなっている、ということです。

具体的に見ていきましょう。

 

1本目が終わり、反復グループがHだったとしましょう。

2本目には15mに45分間潜りたいと計画しています。

つまり、水面休息が終わった時点で、15mに45分間潜水可能なレベルまで反復グループが戻っていれば良いわけです。

ここで表3を見てみます。

表3の水深15mの列を下に辿り、最大潜水可能時間が45分を超えているところを探します。

そこからその行を右に辿ると…

休憩終了時点で反復グループがDになっていれば良いことがわかりますね!

1本目終了時の反復グループがHなので

表2でHから下に辿り、同時にDの行を右に辿ってみましょう。

ぶつかったところは2:24〜3:20ですね!

つまり、2時間24分以上水面休息を取れば、計画通りのダイビングが可能、ということです!

table5


■万が一最大潜水時間を超えてしまった場合

万が一ダイブテーブルの示す最大潜水時間を超えてしまった場合でも焦らずにダイブテーブルの指示に従いましょう。

減圧症のリスクが極めて高い、というだけで、即減圧症になるわけではありません。

そして、ダイブテーブルの指示を守ることで、そのリスクを下げることが可能です。

 

一番最初に説明した最大潜水時間、これを超えたところにも数字が書いてあることがわかると思います。

ここに書いてある2つの数字。

上段の赤い数字は潜水時間です。

そして、その潜水時間になってしまった場合には水深5mで下段の示す時間だけ減圧停止を行いましょう。

いつも行う安全停止ではなく、減圧停止です。

減圧停止についてはこちらをどうぞ!


■特別ルール

ここまでダイブテーブルの使い方を見てきましたが、特別な使い方をしなくてはならない場面がいくつかあります。

一つは高所潜水の場合。

日本で言うと、本栖湖など標高300m以上の湖などで潜る場合にはこのままの使い方で計算してはいけません。

 

そして、通常の海でのダイビングでも特別な使い方をするケースがあります。

水温が非常に低く、呼吸数が上がる場合と、激しく動いた場合です。

どちらか一方であれば、実際に潜水する時間の次に大きな時間を使用します。

そして、両方の条件が重なった場合には、次に大きな時間と次に大きな深度を使用します。


ダイブテーブルを正しく理解することが、減圧症予防の第1歩ですよ!

 


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