ダイブマスター講習って何するの?【ダイブマスターになるまで#1】

ダイブマスターになりたい!

そんなことを考えている人はいませんか?
決心はできていなくとも、ちょっと気になっているという人もいるでしょう。

ダイブマスターとは

"プロフェッショナルへの入口"

と呼ばれるダイビングライセンスです。

 

ダイブマスターを取得すると、ダイバーを認定することはできませんが、インストラクターのサポート(アシスタント)やガイドができるようになります。

ダイブマスターの細かい話ってネットにあまり載っていないですよね。

『どうやったらダイブマスターになれるの?』

『ダイブマスター講習って何をするの?』

『どのくらいお金かかるの?』

など実情を知りたいという声にお応えして、

新連載
『ダイブマスターになるまで』

を始めようと思います!

 

そもそも"どこ"のダイブマスターになりますか?

指導団体の話です。

ライセンスを取得する時、多くの人は

「近くのダイビングショップが○○の指導団体だったから○○のライセンスを取りました。」

と、特に意識はしていなかったことでしょう。

むしろ指導団体を比較してからダイビングを始めた人は少ないと思います。

 

ライセンスの細かいルールや呼び方は"指導団体"によって様々です。

まずは、指導団体について説明しましょう。

指導団体

指導団体とは、Cカード(ライセンス)を発行している団体の事です。
※冒頭からライセンス、ライセンスと言っていますが、厳密には資格ではなく認定なので、ダイブマスターも含めてCカードと呼びます。

結論から言うと、ダイビングを始める上で指導団体選びはそこまで重要ではありません。

 

しかし、ダイブマスターインストラクターになる場合、重要になってくるんです。

『指導団体くらい知っているよ。』

と思われるかもしれませんがあえてもう一度紹介させていただきます。

PADI

Professional Association of Diving Instructors<

本部はアメリカにあります。
世界最大のダイビング指導団体で、世界的なダイバー人口は断トツです!!

【特徴】
ダイバー人口No.1

なんと言ってもPADIの強さはダイバー人口にあります。
ダイバー人口が多ければショップ数も多いということです。
PADIのダイブマスターなら働き口は困らないと言っていいほど、世界的に浸透している指導団体です。

NAUI

National Association of Underwater Instructors
本部はアメリカにあります。世界最古のダイビング指導団体と言われています。(諸説あり)【特徴】
長い歴史と信頼初めて日本にダイビングを持ってきた指導団体です。
歴史は50年以上で、日本においてPADIの次に加盟店が多いのはNAUIです。
SSI

Scuba Schools International本部はアメリカにあります。
当時、PADIの中で「PADIの指導内容は十分ではない」という一派から1970年に設立された指導団体です。【特徴】
しっかりとしたレベルアップ<
他の指導団体に比べ、資格取得時間が多めに設定されています。(アドバンスは24回以上のダイビング経験が必要etc)
また、インストラクターが働くには加盟店への所属が必須なので、質のコントロールが効くと言われています。
BSAC

The British Sub Aqua Club本部はイギリスにあります。
こちらもNAUI同様、世界最古のダイビング指導団体と言われています。
発祥国が違うため、諸説あります。【特徴】
『Safe First』
BSACは『Safe First』の理念のもと、安全なダイビングを目標にしています。
海外基準のプログラムを行う指導団体が多い中、BSACはプログラムも日本に合わせて改良しています。

このほかにも指導団体はあります。詳しく知りたい方はこちらへ!

冒頭にも書きましたが、ダイビングを始める時点で指導団体はあまり関係ないと思います。

しかし、ダイブマスターからはプロフェッショナルです。

責任が生じます。

自分の理念、やり方に合う指導団体を選ぶことをオススメします。

 

ただ、それ以上にダイブマスターになりたい人は指導団体選びが重要になる理由があります。

 

ダイブマスターやインストラクターを取りたい理由の中には

"ダイビングショップで働いてみたい"

そんな風に考えている方もいるのではないでしょうか。

 

指導団体を改めて説明した理由はここにあります。

働きたいショップが決まっている場合、

働こうとしているショップが所属している指導団体

のダイブマスター、インストラクターを取ることをオススメします。

保険の関係上、指導団体の加盟店はその指導団体のインストラクターしか講習を行うことができません。

例えば、PADIの加盟店でNAUIのインストラクターは講習することができません。
※個人主催でNAUIの講習を行うことは可能です。

ダイブマスターなら講習を行うことはありませんが、講習のアシスタントにつく場合も同じことが言えます。

 

また特徴に書いた通り、PADIにすれば加盟店数などから、転職しやすい可能性はあります。

逆に、BSACなど加盟店数はPADIに劣りはしますが、理念に共感した仲間が見つかる可能性はあります。また、必然的に指導団体との距離が近くなるため、個別の事情などにも柔軟に対応してもらうことも可能かもしれません。

どの指導団体を選んでも一長一短あるということです。

 

もし既に持っているライセンスと、働きたいショップの指導団体が違う時は、自分の指導団体を変えることは可能です。

これを"クロスオーバー"と言います。

アマチュア⇒アマチュア(ステップアップ)のクロスオーバーは、特別な手続きは不要な場合がほとんどですが、プロの場合は手続きや費用がかかる場合がほとんどです。

各サイトを確認の上、手続きを進めましょう。

ダイブマスター講習

僕はNAUIのインストラクターです。

もちろんインストラクターを取得する前はダイブマスターを取得しました。
ダイブマスターもNAUIです。

全ての指導団体でダイブマスター講習を受けたわけではないので、他の団体とは少し違う部分もあるかもしれませんが、NAUIのダイブマスター講習の概要をご紹介していきます。

まず参加条件が存在します。
当たり前ですが参加条件を満たしていない場合は取得不可です。

参加条件
  • NAUIフィットプログラム*修了の有効な資格とNAUIマスタースクーバダイバー*の資格認定(2019年1月以降、新規にNAUIメンバー登録する場合は必要となります。)
  • NAUIリーダーシップコース共通参加条件*を満たしていること。
  • NAUIコアスペシャルティダイバー(NAUIスクーバレスキューを除く)のうち最低3種類の資格を有していること
  • NAUI CPR&First Aidの有効資格

  • NAUIスクーバレスキューダイバーの資格認定
  • 環境、水深、活動内容などが多様な25回以上のスクーバ潜水経験があること

【引用:NAUI】(最終閲覧日2019/11/22)

涼太

知らない言葉がいっぱいだと思うので解説します。

NAUIフィットプログラム修了の有効な資格

プロダイバー準備コースの様なものです。他の団体ではダイブマスターコースの中で行うことがほとんどですが、NAUIの場合はここだけ分離して行ういます。

具体的な内容を説明すると、これだけで相当な分量になってしまうのと、他の団体では同様の内容をダイブマスターコースの最中に行うということもあるので、こちらについては改めてご紹介しますね!

NAUIマスタースクーバダイバーの資格認定

アマチュアの最高峰資格です。
アマチュアの最上級レベルを取ってからプロになってくださいね。って話ですね。

ちなみに、下の方に出てくる

  • NAUIコアスペシャルティダイバー(NAUIスクーバレスキューを除く)のうち最低3種類の資格を有していること
  • NAUI CPR&First Aidの有効資格
  • NAUIスクーバレスキューダイバーの資格認定
  • 環境、水深、活動内容などが多様な25回以上のスクーバ潜水経験があること

は、全てマスタースクーバダイバーの参加条件と重複しています。

コアスペシャルティーとは、ディープ、ボート、ナビゲーション、ナイト、サーチ&リカバリーと、5種類の重要なスペシャルティーを指します。

注意が必要なのは、マスタースクーバダイバーダイバーを取得してから2年以上経っている場合です。

NAUI CPR&First Aidの有効期限は2年間なので、もしも有効期限が過ぎている場合は、更新が必要です。

 

NAUIリーダーシップコース共通参加条件

NAUIにはダイブマスター以外にも、アシスタントインストラクターやスノーケリングリーダーというプロコースがありますが、それらに共通して必要な条件です。

18歳以上であること、ダイビングに適した健康状態であること、が挙げられます。

その他にも技術的な条件がありますが、フィットプログラムで受講することになっているので、こちらも改めて。

そして、NAUIのダイブマスターは大きく分けて2つのセッションに分かれます。

通常、以下の2つのセッションに加えて、CW(コンファインド:限定水域⇒プールやプールに準じた環境の海)のセッションがありますが、NAUIの場合はこちらもフィットプログラムに入っています。

CW(コンファインドウォーター)セッション

CWセッションでは水泳の能力やスキンダイビング能力の測定を行います。

  1. 水泳能力
    ・400mの水泳
    ⇒2種類以上の泳法を用いる
    ・20分間の立ち泳ぎ
    ・23m水平潜水
  2. スキンダイビング技能
    ・800mスキンダイビング装備による水面移動
    ・スキン脱着
    ⇒水深2.4m以深の水底にマスク、スノーケルを置く。再び潜行しマスク着用の上、マスククリアを行い浮上
  3. スクーバダイビング技能
    ・スクーバユニットの回収と装着
    ⇒水深2.4m以深の水底にマスク、スノーケル、バルブを閉め空気を抜いたスクーバユニットを置く。サーフェスダイブで、水平に7m泳ぎ回収、装着した後、浮上する
    ・スクーバダイバーレスキュー
    ⇒50mほど離れた場所にいる水底での意識不明ダイバーを水面まで引きあげる。マウストゥマウス(シミュレーション)の人工呼吸を続けながら器材を外し、そのまま人工呼吸を継続しながらビーチ、ボートなどまで曳航し、引きあげる。
    ・4分間、バディブリージングで空気を共有して水中を水平に泳ぐ
    ・4分間、予備空気源で空気を共有して水中を水平に泳ぐ
    ・スクーバベイルアウト

涼太
コンファインドウォーターとは
限定水域とも呼ばれています。
最初にやったであろうプール講習を思い出してください。
風や波はない状態での基本的スキル習得が目標にしたトレーニングです。
*ショップによっては海でやることもあります。

多くの指導団体で、技能科目はコンファインドウォーターという科目で行いますが、
現在NAUIの技能科目はコンファインドウォーターではなく、ダイブマスター講習の参加条件であるフィットプログラムに移行されています。

OW(オープンウォーター)セッション

下記5つのテーマに基づいて、インストラクターのデモンストレーションを見ながらダイブマスターとしての役割を習得
(最低10回のダイビング)

  1. ビーチダイビング
    ブリーフィングや、エントリーやエギジットの監督方法、水中でのチームコントロールなどの習得
  2. ナイトダイビング
    ブリーフィングや、エントリーやエギジットの監督方法、水中でのチームコントロールなどの習得
  3. ボートダイビング
    ブリーフィングや、エントリーやエギジットの監督方法、水中でのチームコントロールなどの習得
  4. トラブル対処(アクシデントマネージメント)
    ダイビング中の事故の管理やレスキュー活動時のチームコントロールなどを習得
  5. 体験ダイビング(トライスクーバダイビング)のアシスタント
    水面や水中での引率やアシスタント技術を習得

涼太
オープンウォーターとは
簡単にいえば、海洋実習です。
実際の海の中の環境でガイド練習やトラブル対処など
ダイブマスターの基礎を実践的にやっていくトレーニングです。
CR(クラスルーム)セッション
  1. CRセッション1
    NAUIコース・プログラムオリエンテーション
    NAUIオリエンテーション(1)
    ダイブマスターの活動
    ダイブマスターの資格
  2. CRセッション2
    ダイビング活動を計画し組織する
    ダイビング活動に実施
    ダイブマスターログの使用
  3. CRセッション3
    ディープダイビングの手順と復習
    ガイドの引率
    トラブルへの処理とカウンセリング
    自然保護と環境の理解
  4. CRセッション4
    ダイビング事故の予防
    ダイビングリーダーのためのボートと操船技術
  5. CRセッション5
    ダイビング障害
    ダイビング障害の治癒
    アクシデントマネジメント(事故の管理)
    緊急連絡先と連絡手段
    スクーバダイバーレスキュー手順の確認
    リスク管理と保険
    CPRの復習
  6. CRセッション6
    ダイブマスターコース筆記試験の実施と講評
    NAUIオリエンテーション(2)
    NAUI ITCの準備

涼太
クラスルームとは
ダイブマスターになると人の前で話すことが多くあります。
学科講習や器材セッティングなどで間違った知識を話すプロはプロではありません。
正確な知識を付け、アウトプットできるようになるためのトレーニングです。

 

3つのセッションに分かれ、多くの項目があります。

ダイブマスター講習のクラスルームは、ダイブマスターになってからの責任や保険についても含まれます。

実際に活動していく上で、模範のダイブマスターとはどのようなものなのかをより具体的に学んでいきます。

 

NAUIでは、物理や生理学、環境に関してなどの知識系の勉強科目は、ダイブマスター講習の参加条件であるMSD(マスタースクーバダイバー)コースのクラスルームに含まれています。

どちらかというと厄介なのはMSDの学科です。(笑)

内容もまあまあ難しいですが、言葉が複雑・・・

海外発祥なので仕方ないことですが、横文字や直翻訳など馴染みのない言葉がたくさん出てきます。

下記、MSDのテキストの内容になります。

簡単に言えば、今まで習ってきたことの深堀といった印象。

マニアックな知識も多く、こんな知識何に使うんだ!?と思っていましたが、インストラクターになると結構使うことも増えてきました(笑)

MSD(マスタースクーバダイバー)CR
ダイビングの計画やその実施、ガイドの方法、レスキューについての確認など、NAUIダイブマスターに必要な知識を身につけます。
  1. ダイビング器材
    スクーバ器材のタイプ
    スクーバレギュレーター
    ダイビング計器類
    ドライスーツ
    エアコンプレッサー
  2. ダイビング環境
    物理的要素ー水の動き
    砕波
    潮汐
    流れ
    流れの対処
    温度の変化
    天候に関する留意点
    水底の状態
    主なダイビング環境
    特殊なダイビング活動
    生物学的側面
    無脊椎動物
    脊椎動物
    捕食性の動物
    淡水の危険
    環境保護
  3. ダイビング物理
    物理の世界
    ダイビングにおける気体
    物質界を測定する
    密度
    浮力
    圧力
    気体分子運動論
    エネルギー
  4. ダイビングの生理学
    呼吸
    呼吸の問題
    減圧症
    循環系の問題
    圧外傷
    ダイビング環境の影響
    性差
    スクーバダイビングの適正
    栄養
    身体的健康
  5. 減圧と再圧
    減圧の理論
    ダイブテーブル
    特別なダイブテーブルの手順
    高圧チャンバー
    高所潜水
  6. レスキューと緊急手順
    緊急浮上
    リフレッシャートレーニング
    レスキューテクニック
  7. テクニカルダイビング
    レクリエーショナルダイビングの高度なスペシャリスト*知識面ではダイブマスターの前に取るマスタースクーバダイバーの知識が必要不可欠となるため、マスタースクーバダイバー取得用テキストの内容参照

今後、MSDのテキストをもとに解説記事を書いていく予定です。

ダイブマスター講習の費用

『インターネットで検索して安い所で講習を受けよう!!』

誰もが最初にこう思うはずです。

そりゃ安い方がいいですよね。僕もそう思います。

ダイビングのライセンス講習の費用は

①講習費
②タンク代など実習費
③教材費
④申請費と保険料

の4つに分かれます。

明らかに安いお店は①講習費のみ、もしくは①講習費と②タンク代などのお金のみ記載されていることも多いので、注意事項をしっかり読みましょう。

では、それぞれの相場を見ていきましょう。

①講習費は10~15万円程度

②タンク代など自習費6~8万円程度

③教材費は指導団体によって差はありますが、2~5万円程度。

④合格後の申請料や保険料は3~5万円程度かかります。

合計すると25~30万円程度でしょう。

ショップが安くできるのは実質①講習費のみの事が多いため、①講習費のみ記載しているショップも多いんだと思います。

おそらく全費用足してみると、どこもそこまで変わらない値段になると思います。

 

だからこそ、

信頼できるかできないか。

になってくるかと思います。最後が抽象的になってしまって申し訳ありません。

 

しかしダイビングにとって、今まで積み重ねてきたものはとても大切です。

中性浮力のようなダイビングのレベルや、楽しみ方は人それぞれです。目指すところも違います。

それはダイブマスターもインストラクターもガイドも同じです。

あなたが楽しいと思っているダイビングはガイドしてくれたガイドの影響がふんだんに詰まっています。

 

つまり、あなたがダイブマスターになりたい。

と思う先には憧れているダイバーが少なくとも一人はいるはずなんです。

「あの人のガイド楽しいよな。」「あんなガイドがしてみたい」

よく思い返してみるといませんか?

 

もしそのような人がいるならば、そのような人にお願いするのが一番です。

もし、その人がインストラクターではないのであればその人に相談してみて、その人に紹介してもらうのもいいでしょう。

 

全く見ず知らずのショップに安さで申し込むのを否定しているわけではありませんが、

ダイブマスターの講習をしてくれるインストラクターがあなたと同じタイプ、もしくはあなたのタイプを理解しているとは限りません。

 

この記事を読んでいるということは、すでに何かしらダイビングライセンスを持っている方だと思います。

まずは自分のレベルを知ってくれていて信頼できるインストラクターに相談してみましょう。

 

『え!?そんなにお金かかるの!?時間はあるけどそんなにお金がない・・・』

そんな方には、でっちやワーキングホリデーで取る方法もあります。

ショップをお手伝いしながら通常より長い時間をかけて取るコースやそこで働きながら給料から天引きなんてパターンもあります。

自分にあった取り方を探してみてください。

まとめ

ダイブマスター講習のおおまかな内容は、わかったでしょうか。

難易度でいうとこれもショップ、インストラクターによって変わりますが、高難易度というほど難しいものではないと思います。

お金かかるなー。と感じる人もいると思いますが

逆にお金をかければ取れる

という見方もできます。

 

僕も実際に言われてきましたが、

『ダイブマスターは取ってからが勝負』

です。

そして"プロフェッショナルの入口"です。

取ることを目標にするのではなく、取ってからどうするのか、何がしたいのか。

しっかりと考えた上で、ぜひチャレンジしてみてください。

僕はダイブマスターになり10倍、インストラクターになり100倍ダイビングが楽しくなりました(笑)

 

ダイブマスターに興味ある人もない人もぜひご活用ください。

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