生物観察が楽しくなってくると、ガイドの人々の会話に興味が出てくることってありますよね!?

 

「カエルアンコウがあそこの岩にいたよー」

とか

「昨日居たハナタツが隣の岩に移ってたよー」

とか

そもそも岩なんて全部同じに見える!

と思ってしまうのですが、それでもどこかしらに居るんだ!と思えるだけでも探してやろうという気になりますよね!

 

現地のガイドの方々や先輩たちの会話を聞いていると、耳慣れない生物の名前が出てくることもしばしば。

あそこにいたダイダイマダラウミヘビがさー

とか

フィコカリス・シムランスって可愛いよねー

とか、呪文のような生物名が出てくることもありますよね(笑)

 

そんな時に強い味方なのが図鑑!

だったのは昔の話。

きっとこのサイトをご覧頂いている皆さんなら

図鑑のページをめくる前にググってますよね。

 

『あのモロコでっかかったよなー』

おっ?なんか大きい魚が居たのかな?よし。モ・ロ・コ、検索。

ん?

出てこない!?

『近くに居たクチグロも立派だったなー!あとイワシに突っ込むワラサもすごかった!』

くそ、ク・チ・グ・ロ、検索。

いない!ワ・ラ・サ、はっ?これブリじゃん!!!

PAK86_mimiwosumaseba20140713_TP_V

 

 

はい。

実は魚には俗称を持つものがいるんです。

多くは釣り人たちが使う名前から来ています。

 

釣り人たちからすると、獲物を間近に見ているダイバーからの情報は貴重で

『なぁ、チヌいたか?』

なんて聞かれることも…

 

普段から俗称ばかり使っていると、さすがにダイバー版中2病と言われそうですが、知っておいて損は無いと思うので、有名ところだけでも一気にご紹介!

 

【初級編】省略系

まずは名前の一部を省略した形。

○○ハゼのハゼだけ紹介した形などはある程度想像がつきますが、ここでは一般の人が聞いたら違うものを思い浮かべてしまうものを中心にご紹介しますね!

 

テング→ウミテング

まさに天狗の様な鼻を持つ魚ですね!

 

カミソリ→カミソリウオ

その身体がカミソリの様に薄いためについた名前ですね!

 

フリソデ→フリソデエビ

ハサミの周り、振袖に見えませんか??

 

ヤシャ→ヤシャハゼ

一説によるとその模様が鬼を思わせることから名づけられたのだとか。

さらに、名づけたのは昭和天皇という説もあります!

 

アケボノ→アケボノハゼ

もう横綱時代の曙関はおろか、格闘家としても知らない人が増えてきているかもですが…(笑)

もちろん曙関にちなんでつけられたわけではなく、夜明けという意味の曙です。

そしてこちらの名付け親は皇后陛下美智子様が名付け親です。

 

シムラ→フィコカリス・シムランス

ここ数年人気急上昇中のゴミみたいなエビです(笑)

まだ和名がついていないため、学名のPhycocaris simulans、フィコカリス・シムランスで呼ばれていたものが略された形ですね。

 

ジョー→ジョーフィッシュ→アゴアマダイ科の仲間

ジョーと聞いてあしたのジョーを連想するのは皆さんのお父さん世代でしょうか(笑)

ジョーフィッシュにはカエルアマダイなどの和名がついているのですが、なぜかジョーフィッシュだけはジョーフィッシュと総称で呼ばれますね。

 

タツ→ハナタツ(又はタツノオトシゴの仲間)

これはわかりやすいですね。

ちなみに、どれも似通った姿をしているタツの仲間ですが、見分け方はこちらからどうぞ!

クダゴン→クダゴンベ

なんだか『ベ』を省略するだけで、急にキャラクター感が出るような…笑

 

タテキン→タテジマキンチャクダイ

ちなみに観賞用海水魚を飼育する人々の間では、幼魚を指して『うずまき』と呼ばれるのだとか。

 

ギンガメ→ギンガメアジ

こう略されるのでギンガメ・アジと思われることが多いのですが、名前の由来は銀河目鯵だとか。

ただ、銀紙鯵がなまってギンガメアジ、という説もあります。

 

スカテン→スカシテンジクダイ

キンメモドキとそっくりで、一緒に暮らしていることも多いのですが、スカテンの方が人気がある気がするのは、呼びやすいからでしょう(笑)

ちなみにキンメモドキをキンモド、とは言いません(笑)

 

ナンツバ→ナンヨウツバメウオ

キンツバではありません(笑)

こちらも呼びやすさから普通のツバメウオやミカヅキツバメウオよりも人気があるような…

 

【中級編】あだ名・英名・学名系

ここからは和名が関係ないパターンです。

ちなみに、英名についてはこちらでもご紹介しているので、参考にしてみてくださいね!

 

ナポ→ナポレオンフィッシュ→メガネモチノウオ

英語での正式名称はHumphead wrasseと言いますが、英語でも日本語でも、あだ名はナポレオンフィッシュです。

老成した時に大きく突き出すおでこのコブがナポレオンの被っている帽子に似ているからこの名がついたんだとか。

 

ハンマー→ハンマーヘッドシャーク→(アカ)シュモクザメ

頭を上から見るとまさに金槌、ハンマーですよね。

日本では与那国島や神子元島が有名です!

日本で観察されるハンマーは、基本的にアカシュモクザメと思ってもらってOK!

 

ホワイトチップ→ネムリブカ

比較的温厚なサメで、Whitetip reef sharkという英名から来ています。

ヒレの先端が白いためWhitetipという名がついてますが、和名だとツマジロという別のサメが居ます(笑)

うーん紛らわしい…

ちなみにツマグロというサメもいます(笑)

 

GT→Giant trevally→ロウニンアジ

大型なので釣り人からの人気が高く、釣り人由来のあだ名かなと思います。

 

アオマスク→サンゴアマダイ属の一種

英語ではBlue face tilefishと言います。

ブルーマスクならまだわかるのですが、なんで青はアオなんだ…(笑)

和名として紹介されることもありますが、JODC(日本海洋データセンタ)の生物の分類ツリーでは和名未記載であるため、ここではサンゴアマダイ属の一種としました。

 

ヘルフリッチ→シコンハタタテハゼ

憧れという意味ではハゼ界のトップと言っても良いかもしれません。

その噛みやすい名前からか、学名(種小名)で呼ばれることが多いですね。

 

JP→ジャパニーズピグミーシーホース→ハチジョウタツ

八丈島や三宅島で観察される極小のタツで、日本のピグミーシーホースということで、ジャパニーズピグミーシーホースという愛称がついています。

略してジャパピグ、さらに略してJPですね。

2018年に晴れて和名がつけられました。

 

イロケロ→イロカエルアンコウ

カエルだからケロ…

同じノリでベニケロと言ったりもします。

でも、クマドリカエルアンコウをクマドリケロとは言わないし、普通のカエルアンコウを単にケロとは言わないですね…

要は、4文字が一番語呂の良い響きなのでしょう(笑)

 

イザリ→カエルアンコウの仲間

こちらもカエルアンコウです。

昔はイザリウオという名前だったことに由来します。

2007年ごろ、差別用語を連想させる和名が続々と改名された際に、カエルアンコウと言う名前に変わりました。

イザリ💛って感じで呼びやすいんですけどね(笑)

 

カエルアンコウの仲間の見分け方はこちらから!

ロボコン→アナモリチュウコシオリエビ

ロボコン、知ってますか?

知らない人も多いでしょうね…

1974年と1999年に放送された、ロボット物です。

似て…ると言ってください!(笑)

 

ピカチュウ→ウデフリツノザヤウミウシ

これは有名ですね。

むしろ、本名を知らないで『ピカチュウウミウシ』だと思っている人も多いかもしれません。

 

ワイングラス→ナガサキニシキニナの卵

nagasakinishinishikinina

http://apliva.exblog.jp/より写真引用

少しマニアックですが、ナガサキニシキニナという地味な貝の卵(卵塊)です。

 

サロンパス→スミレナガハナダイ

その模様がサロンパスを貼った様に見えるからですね。

こちらで詳しく説明もさせてもらっています!

 

黒パンツ→キツネベラ幼魚

履いてますよね?黒いパンツ。

ただこのパンツ、大人になると脱ぐというか、破れて背中に乗っかるというか…

こんな感じになっちゃいます。

 

イチゴパンツ→マンジュウイシモチ

履いてますよね?イチゴ模様のパンツ。

それにしても、イチゴ、苺。

ただの果物です。

なんでパンツとくっつくだけでこんなにいやらしい響きになるのか…

いやらしい響きと感じたのは僕だけかもしれませんが(笑)

 

ちなみにこのマンジュウイシモチはこれで成魚なので一生イチゴパンツを脱ぐことはありません。

 

【上級編】漁師由来系

この辺りになるともはや由来はわかりません(笑)

モロコ→クエ

これはダイバーでも割と使う人が多いですね!

 

グレ→メジナ

ダイバーで使う人はあまりいないかも…

 

チヌ→クロダイ

ダイバーで使う人はあまりいないかも…

 

クチグロ→イシダイ

ダイバーで使う人はあまりいないかも…

クチジロ→イシガキダイ

ダイバーで使う人はあまりいないかも…

ワラサ・イナダ・ハマチ・ツバス・フクラゲ→ブリ(大きさや地域によって呼び名が変わります。)

これは有名ですね。

ダイバーもあまり『ブリ』とは呼びません。

あれはイナダのサイズだ、いや、ワラサだ、なんて不毛な議論がなされることも…(笑)

 

地方によっても呼び方が異なり、Wikipediaによるとこんな感じです。

関東 - モジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
北陸 - コゾクラ、コズクラ、ツバイソ(35cm以下)→フクラギ(35-60cm)→ガンド、ガンドブリ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
関西 - モジャコ(稚魚)→ワカナ(兵庫県瀬戸内海側)→ツバス、ヤズ(40cm以下)→ハマチ(40-60cm)→メジロ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)
南四国 - モジャコ(稚魚)→ワカナゴ(35cm以下)→ハマチ(30-40cm)→メジロ(40-60cm)→オオイオ(60-70cm)→スズイナ(70-80cm)→ブリ(80cm以上)

ブリ|Wikipediaより引用

 


 

俗称には地域性が強かったり、中にはそのガイドの人だけが呼ぶものもあったりするので、
網羅は難しいですが、新しい物があれば随時追加していきますね!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事