今日は経験を多く積んだメンバーでいつもより深場へ。

深場には魅惑のハナダイたちが乱舞…

楽しい…

もっとここに居たい…

 

これって普段は行かない様な場所に行っているから?

ハナダイ達があまりにも美しいから?

 

実はそれ

窒素酔い

の症状かもしれませんよ!!

 

窒素酔い、それ自体が悪影響を与えることはありませんが、そのままにしておくと非常に危険ですよ!

 

窒素酔いとは

『酔い』とある通り、お酒に酔ったのと似た症状を引き起こすものです。

窒素中毒と呼ばれることもあります。

 

お酒の場合は泣き上戸、笑い上戸、絡み酒、などなど色々なタイプの人が居ますが、窒素酔いの症状は概ね以下の通り。

  • とにかく楽しい(多幸感)
  • 笑いが止まらない
  • 物事を楽観視する
  • 自信過剰になる
  • 判断力が低下する
  • 思考能力(計算力など)が低下する
  • 細かい作業が出来なくなる
  • 視野が狭くなる

 

これがお酒の席なら絡み酒なんかよりよっぽど良いわけですが、窒素酔いが起きるのは水の中。

 

なんだか楽しい、もっとここに居たい、まあ大丈夫だろう、もう少し深くに…

こんな

多幸感→判断力の低下

が非常に危険なコンボだということは想像出来るのでは無いでしょうか。。。

 

ひどい場合、わけもわからずレギュレーターを外してしまうなどといった危険な行動を取ってしまう人もいるとかいないとか…

 

窒素酔いそのものが健康に悪影響を及ぼすわけではありませんが、窒素酔いが事故の引き金になり得るということですね。

 

窒素酔いの原因

では、どんな時に窒素酔いを引き起こすのでしょうか?

ずばり

深場

です。

実は、窒素には麻酔作用があることが研究からわかっています。

この窒素の麻酔作用が窒素酔いを引き起こすわけです。

ちなみに、窒素を利用した『笑気ガス』は古くから麻酔薬として使われ、現在でも麻酔補助薬として使われているそうですよ!

 

ではなぜ深場でだけなのでしょう?

 

人間は普段、1気圧の空気を吸っています。

そのうちの80%が窒素なので、窒素だけの圧力(窒素分圧)は0.8気圧ということになります。

えっ?空気ってほとんどが酸素なんじゃないの!?という人はこちらから復習してくださいね!

 

人間の身体は0.8気圧の窒素を吸う様に神様が設計なさった出来ています。

言い方を変えると、0.8気圧の窒素の麻酔作用には耐性があるということです。

 

ところ変わって深場。

例えば水深30mを考えてみましょう。

水深30mの気圧は4気圧ですね。

これが???となった人はこちらから要復習ですよ!!

 

さて、4気圧×0.8で窒素の圧力は3.2気圧です。

ここまで高圧になると、人間の持つ窒素の麻酔作用への耐性がキャパオーバーになるということですね。

 

どのくらいの水深から??

一般的には水深30m程度から症状が出るとされています。

が、個人差が大きく、水深20m以下で窒素酔いが原因と考えられる事故が報告されている一方、水深40mでもへっちゃらな人も珍しくはありません。

また、経験によってある程度耐性が出来ることも知られており、少しずつ身体を慣らすことで、窒素酔いになりにくくなると言われています。

 

個人的にはいつも、この様に表現しています。

  • 水深25m
    生中1杯!飲んだけどまだまだ大丈夫。なんなら車の運転…(飲酒運転ダメゼッタイ)
  • 水深30m
    生中2杯目!!酔いの症状が出てくるものの、まだ正気。
  • 水深35m
    生中3杯目!!!本格的に酔って来て、自分の行動に『?』マークがつくことも…
  • 水深40m
    生中4杯目!!!!完全に酔っ払い。多幸感は無いものの、視野は狭くなり、細かい作業が上手くいかない。

 

ただし、その日の体調や、長らく深場に行って無かった後などは、もう少し浅い水深で上記の様な症状を実感することも。

 

また、体質や体調以外にも、水が冷たい時、透明度が悪い時、激しく動いたときは窒素酔いを助長するとされています。

 

俗称として『マティーニの法則』という言葉も有名です。

これは、水深が15m(10mや18mとも)増すごとにマティーニ1杯飲んだのと同じ程度の酔い方をする、と欧米の方が指摘したのだとか。

ん?

ちょっと待て。

マティーニといえば、カクテルの王様とも呼ばれる、ジンとベルモットを概ね3:1で割ったカクテルですよ?

アルコール度数、30度~40度ですよ?

そんなん1杯飲んだだけでひっくり返る人も多いですよね(笑)

 

さすが欧米、お酒、強いんですね…

 

日本流に言うなら『カシオレの法則』と言ったところでしょうかね(笑)

 

窒素酔いの対処法

窒素酔いの対処法は非常に簡単で

水深を上げる

これに尽きます。

自覚症状はある場合は自分で、本人が正常な判断を出来ていない場合にはバディが、水深を上げることですぐに窒素酔いの症状は消えてくれます。

 

お酒とは違って二日酔いになることは無いのでご安心を(笑)

 

逆に言うと、一度窒素酔いになってしまうと、その水深にいながらにして窒素酔いを解決する方法はありません…

 

また、本人は正常な判断を出来なくなっている可能性もあるので、バディなど周囲の人とお互いに安全を確認し合うことも非常に重要ですね!

 

窒素酔いの予防法

もうおわかりかと思いますが

深場に行かない

これに尽きます(笑)

 

深場に行かなければ窒素酔いにはなりません。

でもハナダイ、見に行きたいですよね。

 

そのためには、窒素酔いの症状を感じたらすぐに引き返すと決めておくことが重要でしょう。

また、耐性をつけることも可能と言った様に、少しずつ身体をならすということも重要ですね。

 

テクニカルダイビングの世界

ここでひとつ疑問を感じたあなた、ダイビング上級者ですね?

 

テクニカルダイビングの世界では、水深45m、50m、さらには100mの大深度潜水を行う場合もあります。

 

深場に行けば必ず窒素酔いになる。

対処法は深場に行かない事しかない。

じゃあどうするの??

 

彼らは血のにじむ様な努力の末、水深100mでも窒素酔いにならない、人間離れした耐性を獲得…

しているわけではありません(笑)

 

窒素に麻酔作用があるなら窒素を使わなければいい、という発想の大転換を行っています。

具体的には、ヘリウムガスを用いることで、窒素酔いから解放されています。

風船に入れる、吸うと声がおかしくなる、あれです(笑)

 

じゃあみんなヘリウムを使えば良い、と、そう簡単でもなくヘリウムガスは…

高いんです!!!(笑)

それにエキジット後、みんな声がおかしくて異様な光景になるでしょうしね!(笑)

 

まとめ

話が脱線してしまいましたが最後にまとめです。

 

深場に行くと窒素酔いを引き起こす

少しでも窒素酔いを感じたら浅場へ引き返す

バディ同士お互いの安全を確認することが重要

深場に行く場合には少しずつ身体を慣らすことも効果的

 

深場に訪れる際には、これらのことを頭に入れた上で、控えめなダイビングを行ってくださいね!


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