ダイビングに関わる仕事をしているけど、 実はダイビングに関わる人の働き方や感じてる想いって意外と知らない。
「ダイビング業界で働くってどうなの?」ということを学生ダイバーのみんなに届けたい。

そんなところから始まったこの企画、記念すべき第1回はしげがきっちりと、熱く、クサい話をしてくれました。

ということで、第2回は僕、細谷 拓が少しだけお話をさせてもらおうと思います。

第1回で少しだけ登場した際にもお話しした通り、クサいセリフは苦手なので、僕は僕なりのスタイルでお話ししてみたいなと思います。

涼太
拓さんに1人で喋らせると話が散らかり過ぎるんで、相手になってやれってしげさんが。

大丈夫、ほら何度も言う様に俺、アツく語るとかキャラじゃないじゃん?

涼太
飲まなきゃ…ね…

なんか言った?

涼太:何も。進めましょ。

拓:まあいいか。涼太は誰でも知ってる大きな会社を辞めてうちに来てくれたけど、やっぱり周りからは色々言われた?

涼太:まあやっぱ言われましたねー。それこそダイビング業界って食ってけるの?とか吐いて捨てるほど。

拓:そう言われることは多いよね。

涼太:まあ僕としては自分なりに見えてる物はありますし、どうでも良いんですけど。でもやっぱ学生とかにも聞かれることは多いんで、拓さんなりの考えを聞いてみたいっすね。

みんなダイビング業界を誤解していない?

最近巷では『細谷=潜らない』『拓さんはダイビングはそんなに好きじゃない』なんてよく言われますが、人並み以上にはダイビングが好きだとは思っています。

少なくとも、キタマクラの幼魚と1本丸々遊んだり、夢中でJP探しをしていたらダイブタイム60分超えだったり、というくらいには…

そんな大前提を踏まえた上で僕がダイビング業界に魅力を感じる理由は、決して好きなことだからという点ではありません。
僕が魅力を感じる理由はただ1つ。

可能性しか感じない

から。

なぜ僕はダイビング業界に可能性しか感じないか。
それには2つの理由があります。

誰もが(社交辞令でも)やってみたいという遊びであること

友達に「ダイビングをやっている」と言うと、9割に近い確率で「いいなぁー」「やってみたい」といった、ポジティブな返答が返って来ると思います。
ダイバーの皆さんであれば誰でも1度は経験があるのでは無いでしょうか?

これって物凄いことなのでは?

実際には言葉だけで、ダイビングを行わずに生きていく人が大多数を占めます。
しかし、社交辞令だとしても、これほどまでに老若男女問わずポジティブな反応が返って来るものを、僕はダイビング以外に知りません。

実際、様々な余暇に関するデータをまとめたレジャー白書でダイビングは『やってみたい・続けたい:希望率』と『1年以内にやった:参加率』の差を取った潜在需要でTOP3の常連です。

しかも、日本は海に囲まれた小さな島国。
世界的にも有名な海である沖縄や小笠原は元より、東京ならば伊豆、大阪ならば越前と、大都市から日帰りで海に行ける物理的環境が整っています。

こんなに恵まれている先進国も僕は日本以外に知りません。

しかもしかも、小学校や中学校の夏の体育と言えば…水泳ですよね。
実は世界的に見て、義務教育で水泳を行っている国はまれだそうです。

海外の方の講習は手がかかることが多いと感じていたのですが、そもそも水への親しみ方が日本人と違うという事を知って、目からウロコでした。
上手に泳ぐことは出来なくても、最低限の泳力や水への恐怖心克服は、日本人なら知らず知らずのうちに身に着けているわけです。

この国に生まれて潜らないなんてもったいない。
この国に生まれてダイビングに携わらないなんてもったいない。

それが、僕がダイビング業界に身を置くことを考えた始まりです。

涼太
拓さん、気付いてないかもしれないけど結構デカいこと言ってますよ。

取り入れられることが多すぎること

ダイビングショップで店長を務めていた時、想像以上に取り入れられることが多い様に感じました。

HPのリニューアルやリスティング広告、ブログ、自分で作った図鑑…
当時からWEBに興味があった僕でしたが、まだまだ活用しているお店が少なかったこともあり、どれも効果を上げることが出来ました。

お客様に毎月会報を送る、顧客カルテを作る、海に来てくれた時は必ずお礼のハガキを送る…
WEB以外でも、概念は後から知りましたが、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は面白いように効果が。

大げさに言えば、本屋でビジネス書を買って来て、そっくりそのまま実行するだけで成果が出る様な感覚でした。

その後、僕は一時ダイビング業界を離れ、マーケティング支援の会社に身を置くことになります。
その時僕が見たものは、世の大手有名メーカーがモノ・サービスを売ることに関して、どれだけ考え、どれだけ労力と予算をかけているか、衝撃的なものでした。

予算はさておき概念だけでもダイビング業界に持ち込むことが出来れば、もっともっとダイビング業界は成長できる…

その会社で見聞きしたものは、ダイビング業界を成長させたい、成長させられるという想いを強くするのには十分すぎました。
結果的に、その想いが強くなりすぎて、1年余りでその会社を辞め、ダイビング業界に戻る決意をしてしまったので、その会社には申し訳ないのですが…

また、一般の企業は様々な企業や専門家の助けを借りて動いていることも知りました。

会計、法律、税務といった士業の方々、コールセンターや広告代理店、市場調査会社、さらにはCRMやタスク管理、勤怠管理といった様々なシステムを提供する企業…
そして、中には業界を絞ってサービスを提供している場合も。

ダイビング業界に特化したBtoBの様々な専門家が居ても良いのでは…
そんなことも感じました。

世の中にあるもので、ダイビング業界に入ってきていないものがたくさんある。
一方で、現状でも十分に成り立っている。

ということは、一つずつでも取り入れて行くことが出来れば、ただでさえ魅力度の高いダイビングです。
それこそゴルフやスノボといった市民権を獲得している他の遊びと肩を並べるまでに成長してもおかしくない、伸びしろしかないと本気で思っています。

涼太
段々声デカくなってるし…

ともすると
「ダイバー減ってるね…」「ダイバーの高齢化が…」「昔のダイビングブームの頃は…」
など、まるでダイビング業界が右肩下がりの斜陽産業かの様な声を聞くことがあります。

もちろん、現実問題として右肩下がりであることは否定できません。

しかしそれは、打つ手なしの状況というわけではないと思いますし、ましてやダイビングがオワコンであるとは決して思いません。

魅力は充分、取り入れられることはまだまだ沢山ある。

ダイビングは決して斜陽産業じゃない!

発展途上なんだ!

涼太
クサいセリフは苦手なんじゃなかったんかい。もうなんとでもなれ。

ダイビングショップをやらない理由

店長を務めていたショップ

ここまでのお話で、ダイビングが好きだから仕事にしているわけじゃなく、市場として魅力を感じているからダイビングに携わっていることはお分かりいただけたかと思います。

じゃあ自分でダイビングショップ持って、大きくすれば良いのでは?

そんな声が聞こえてきそうです。

ここからは、なぜ僕がダイビングショップをやらないか、というお話。

僕は、足し算は好きではありません。
地道にコツコツ、というのが一番の苦手分野。
1時間足し算をし続けるぐらいなら、足し算を実行するプログラムを59分かけて組み上げて、残り1分で一気に終わらせてしまいたいタイプです。

逆に、大好きなのは掛け算。
中でも累乗なんて最高です。

そもそも、ダイブマスターになってなかったら、インストラクターになってなかったらダイビング業界で働くことは考えなかったわけですが、これまでのステップアップにも、この考え方は如実に表れていると自分では思っています。

ダイビングを始めた頃、楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。
ダイビングを楽しんでる人は僕1人、365日毎日潜ったとしても、楽しめる人数はのべ365人です。

そんな時、潜る時にはいつも、ダイブマスターに連れて行ってもらっていることに気づきました。
ダイブマスターから見ると、一気に1チームが楽しんでいることになります。
1チーム4人として、自分を含めると5人、365日潜れば1人(僕)×5人(チーム)×365日でのべ1825人が楽しめます。
ダイブマスターを取りました。

ダイブマスターとして活動を始めた時、また新たな気付きがありました。
ダイブマスターを認定してくれたのはインストラクターです。
インストラクターになれば、ダイブマスターを作れる。
ということは、毎日ダイブマスターを作れば…
というのは規準上あり得ないとしても、月1人のダイブマスター(DM)を作るだけで、そのダイブマスターが翌年毎日5人を楽しませると…
1人(僕)×1人(DM)×12ヶ月×5人(チーム)×365日でのべ2万9500人が楽しめます。
インストラクターを取りました。

インストラクターになったら…もうお分かりかもしれませんね。
インストラクターを認定するにはコースディレクターです。
もうこれは、なるしかない。
良いでしょう、年に5人のイントラを作るぐらいにしておきましょう。
1人(僕)×5人(イントラ)×1人(DM)×12ヶ月×5人(チーム)×365日で10万9500人。

この計算が、机上の空論じみていることはもちろん理解しています。
365日毎日潜れるのか、365日毎日お客さんが来るのか、現実的では無いことぐらいわかっています。

要はキャパシティーの問題で、1人でダイビングを楽しんでいる分には、何をどう頑張っても、1日の定義が地球の自転1回である限り、そして、地球が今と同じように自転、公転を続けている限り、楽しめる人数はのべ365人。
蓋然性は無くとも可能性は最大に、傾向と対策でありラブ&ピース、なわけです。

涼太
拓さん、散らかり始めてます。蓋然性とか地球の自転とか何言ってるかわかんない。

 

とにもかくにも、可能性だけは最大限にしたい。

1人のダイバーが楽しめる限界は1年のべ365人。
それが、コースディレクターになれば上限がのべ10万人余りにまで増える。
仮に、実際には話半分どころか、話10分の1になったとしても1万人です。

 

既にお気づきの方もいらっしゃる方もしれませんが、僕もしげ同様、今でもOceanKIDsという関東最大のダイビングサークルをインストラクターとして担当しています。

そして、このだいがくも運営しています。

もしかすると、利益相反の様に感じられてしまうかもしれませんが、これも僕の中では同じ軸です。

僕らがどれだけ頑張っても、僕がどれだけインストラクターを作っても、OceanKIDsでダイビングを楽しめる人数には上限があります。
年々そのキャパシティーが増えたとしても、上限があるものはあります。

コツコツが苦手なんです。

自分が直接関わらなくても良い、何かのキッカケになるだけでも良い、1人でも多くの人にダイビングを楽しんでもらうためには…
その答えが、見ず知らずのサークルでも良いから、世の中の学生ダイバーを応援することでした。

 

実は今、コースディレクターにも限界を感じています。
上限、10万人ですから。日本の人口の1000分の1にも足りません。

その上は指導団体…に関しては話がそれこそ世界規模に、しかも僕の苦手なコツコツが大事な『伝統』みたいな要素も重要になってくるので、一旦目をそらします。(笑)

ダイビングショップ、365日毎日お客さんで満員というわけではありません。
これを365日満員にするような、ダイビングショップのためになる様な仕事が出来れば…

ダイビングショップは日本に約2000軒、インストラクターが仮に平均2人だとして
2000軒×2人(イントラ)×29500人(イントラ1人あたり)で1億1800万人。

日本の人口です。

これしかない。

ダイビングショップにもっと多くのお客さんが来る様にする仕事。
そのためにダイバーからも広く受け入れられる仕事。

つまり…

その人にとって出会うべきショップにダイバーが出会える世界を創る仕事。

これが今の僕の夢です。

ダイビングという仕事が教えてくれたこと

ダイビングを仕事にしてみて気づいたことがひとつ。
それは、人と違うことがどれだけ面白がられるかということです。

知っている人もいるかもしれませんが、元リクルートのフェローで民間初の公立中学校長を務めた、教育改革実践家の藤原和博さんがいう所の1%の人、100万人に1人の人、という話です。

国立大卒でダイビング業界、若いのに店長(新卒後すぐ店長)、若いのに独立(24歳)、これだけで面白いヤツ扱いをしてもらうことが出来ました。
WEBに詳しそう、システムも作れるらしい、マーケティングもかじってるらしい、なんか新しいことを考えてるみたいだぞ、そうやって色々とアドバイスを求められることも。

WEB、システム、マーケティング、その他諸々、僕は決してプロフェッショナルの域には達していません。

藤原さんは、100人に1人と言える一流の分野を3つ持てば100万人に1人の人材になれる、と言っていましたが、僕の場合はどれも100人に1人というレベルには達していません。

ではなぜ面白がってもらえたのか、それはベースがダイビングだったからでした。

少なくとも今日現在、ダイビングインストラクターは日本に1万人程度です。
日本の人口から考えれば、約1/10000。

ベースが既に1/10000だったので、ここに1/5でも、1/10でも掛けることで、一気に希少価値の高いヤツ、になれていたんですね。
そういう意味では、知らず知らずのうちにベースで1万という数字を手に入れられた僕は物凄く幸せだったと思います。

そして僕は今、そうして希少価値の高いヤツとして相談を受ける以上、5人に1人だったレベルの知識を10人に1人に、50人に1人に、と伸ばしている真っ最中です。

少しだけ具体的にご紹介してみます。

1.HP製作

初めの頃、受ける相談と言えばWordpressというツールを用いたHP製作で、いくつかのダイビングショップのHPやダイビング関連NPO、水中レポーターの稲生薫子さんのHPなどを製作させてもらいました。

 

2.システム構築

HPは店舗と同じ、コストでは無く投資だ、という考え方がありますが、とはいえHPは何かを表示するため場所です。
そのコンテンツ作りまでお手伝いすることは出来ません。
いわば製作という一瞬だけのお手伝いです。

そんな中、忙しいダイビングショップの手間を少しでも楽にする、というテーマで、宮古島フォトコンテストの応募システム構築に取り組ませてもらいました。

宮古島フォトコンテスト|応募画面と管理画面

これまで参加者とのやり取りはメール、応募作品は各参加店舗のPC上にと、応募受付から審査、発表までの手間が多くなってしまっていました。
これを、フォトコンテストHP上に応募システム、応募作品管理の機能を持たせることで、各ショップが応募者と直接メールをする手間、応募作品を幹事ショップに集約する手間を省きました。

また、全てをデータ化することで参加者の傾向などを分析することも可能になりました。

 

3.予約管理&現場運営サポートツール構築

フォトコンテストのサポートは、手間を減らすとは言っても一過性の物です。

ダイビングショップを日頃からサポートする様なツールの構築したいと思っていたところ、宮古島のBIGHOLIDAYというショップさんのツール構築に取り組ませてもらいました。

宮古島|BIGHOLIDAY

※HP自体は僕では無くオーナーお手製!僕よりはるかにセンスあります!(笑)

このツールでは予約受付から管理、ダイビング当日のレンタル器材の準備やゲストの情報閲覧などを実現するほか、予約から当日の受入までの様々な作業を自動化しました。

これによって、これまでの事務作業量を減らすだけでなく、来店客の傾向などに合わせてキャンペーンや広告など、次の施策を検討して頂くことも出来る様になりました。

また、このツールを構築するのにあたっては、これまで主に使用していたプログラミング言語とは異なる言語を使用したので、一気に自分の知識の幅を広げさせてもらいました。


こんな風に徐々に難易度の高い仕事をさせてもらい、その中で自分自身を成長させてもらって来ています。
そして、今はあるダイビングメーカーの販売促進の肝とも言えるシステムの構築を任せてもらっている真っ最中です。

HP構築:一瞬のサポート
システム構築:一過性のサポート
ツール構築:継続的なサポート

と来ていますが、どれも手間を減らす=守り、のお手伝いです。

次のステップとしては攻めのお手伝いをしたい。

つまり、これまでの経験と、更なるステップアップをベースに

その人にとって出会うべきショップにダイバーが出会える世界を創る仕事

をして行きたいと思っています。

自分に素直に

仕事について考える時、自分は何が好きなのか、何に興味があるのか、を考えることがあると思います。

案外わからないものですよね。
漫画?フットサル?お酒?違う、そういう意味の好き、じゃないんだ、って…

好き嫌いではなく、その先の可能性で考える、というのはどうでしょうか?

可能性を感じる物を見つける。

業界でも、職種でも、企業風土でも、なんでも…

可能性を感じるということは、少なくとも納得感を持って取り組むことが出来るはずです。

僕の場合、ダイビングについてはこれまで話してきた通りです。
WEBにしても、システムにしても、なんにしても、自分の中で可能性を感じたからこそ、誰に教わることも無く少しずつ身に着けて行くことが出来ました。

僕は新卒の就活を経験していないので、そんなに甘いものでは無いのかもしれませんが、そんな考え方もあるかな、ぐらいに思ってくれれば嬉しいです。

あ!念のため最後にもう1度!

ダイビング業界、可能性だらけですよ!
すぐに1/10000になれますよ!

(笑)

 

ということで、次回は遥か小笠原の海から、パパスダイビングスタジオの小林恵利香さんにお話を伺いたいと思います!

~次回予告~

~バックナンバー~

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